ヴァレリーとクレープ続編

yasutti2008-04-09

昨日はヴァレリーんちでクレープをごちそうになる。
いつも外国人のご自宅でご飯をいただくと
海外旅行中で食べたどんな料理よりも
おいしいと気付く。
そしてそれは涙が出るほど。
ヴァレリーは自分のことをカリスマという。
なぜなら
彼女が笑うと空気が変わり
彼女が通るとみんなが声をかけ
彼女がかわいい服を着ると
みんなが嫉妬するから。
みんなが嫉妬するのは知らないが
他の2つは経験済み。
もちろん服の趣味がいいのも知っている。
学校で毎日彼女に見惚れたものだ。
だけど、今度パン屋のPAULで働く彼女
前の職場では皆に嫉妬され
えらい目にあったらしい。
それで、先日会った時
「なんだか、(服装が)ヴァレリーらしくないね」
と言ったら
「そうなの、でも職場では着れないのよ」
と悲しげに言う。
なんだって女性は彼女に嫉妬するのだろう。
彼女は太陽なのに。
太陽に嫉妬したって無駄だ。
焼かれて死ぬだけ。
でもヴァレリーもそこまで強くない。
彼女は強いけど、でも弱いと語る。
彼女は、彼女の街ストラスブール
ピザの営業販売の初女性トラック野郎だった。
毎日ひとりで大きなトラックを乗り回し
フランス中を宣伝して回っていた。
彼女にとって車で5時間は『近い』、だって。
脱帽・・・。
途中で泊まるホテルには
彼女の他には男性しかいない
かなり危険な状況。
これはこれは百戦錬磨のつわもの。
でも、こと恋愛に関しては
本気になると当の本人には決して声のかけられない
めっぽうシャイな彼女。
まるで絵にかいたような
ひとつ小説が書けそうな彼女の人生。
3年前に離婚し、18歳になる女の子がいる。
その子は今父親と一緒に暮らしている。
一方ヴァレリーは広いフラットにぽつん。
誰にも計り知れない苦労が彼女にはある。
そんな彼女に家に招き入れてもらえるなんて
私は幸せ者だ!
1年前、彼女に紹介してもらったセリーヌ
彼女との交流は途絶えたらしい。
セリーヌの新居の引っ越しにともなって連絡がつかなくなったからだとか。
そして今、彼女にはアンジェリカがいる。
彼女はヴァレリー同様かなりフレンドリー。
すぐに打ち解けた。
フランス人はよく陰湿と言われるけど
田舎出身の人は気立てが良い。
そして日本人に似ていて心地よい。
かなり気が利く。
そして手土産に持って行った花束は
私の知らないうちに
さっさと花瓶にきれいに飾られていて
なんか、かなりやり方がスマート!
こんな映画のヒロインみたいな人
いるんだなぁとまた感心。
花瓶の花を見た時
かなりショッキングだった。
思いもつかない行動。
シェフの合間に花を飾る!
私なら、会が終わるまで
ビニールのラップが巻かれたまま
置いといたであろう。
仕事早いよ、彼女!
ともかく
また会えるといいな。
来年の1月40歳になる彼女は
誕生日に私を招待してくれると言ったけど
フランスにいるかもしれないから
不確かだと言う。
調子よく「おいで、おいで」というのではなく
思慮深く「わからないわ」と言うだけで
その人の知性が感じられるよ、私には。
これこそ、流行の最先端にいる人の発言だね。
最近私もやっとその感覚に気づいた。